島田紳助氏の思い出

島田紳助氏がmisonoチャンネルに登場する。映像メディアに登場するのは8年半ぶりだ。紳助さんが引退したのは2011年。東日本大震災の報道が落ち着き、地上デジタル放送への完全移行が行われた1ヶ月後、彼は突然芸能界から姿を消したのだ。私は中学生だった。そしてテレビっ子だった。といいつつも私が四六時中テレビを観ていたのは小学生の頃までである。だから紳助さんのことはよく覚えている。むしろ引退から9年もの月日が経ったことに衝撃を覚えているのだ

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羞恥心とかPaboはともかく合田兄弟についての謎は深まるばかりだ。

 

2000年代は島田紳助の時代だった。とりわけ2008年頃は彼の天下と考えていいだろう。視聴率の週間一位を紳助さんが司会をする「行列のできる法律相談所」と「クイズヘキサゴンII」の二つが争っていた。そして、ヘキサゴンではカシアス島田という意味不明なキャラクターの作詞家として数々のヒット曲を生み出した。気持ちの悪い歌詞と古臭い曲調を馬鹿が歌って踊る。それが何故か世に評価されていた。彼の芸風は圧倒的な話術だ。語彙力と構成力で魅せる悪口だ。巷では紳助さんを表す言葉として「素敵やん」が伝わっているが、私がよく覚えている言い回しがある。「世間の90%はそこに気付いてないねん」大事なのは数字を使っている点だ。よく考えてみてほしい。90%には何のエビデンスもないのだ。ここに馬鹿は騙された。いかにも彼が世間を理解しているように魅せるテクニックだ。そして、もう一つ私が納得したテクニックがある。「物知りと思われる為には物知りである必要はないねん。ジャンルの中の一つを徹底的に覚えろ。」例えば、織田信長について徹底的に覚える。すると会話の流れで歴史的な話になれば信長について豆知識を披露したらいいし、経営についての話になれば信長の戦術について豆知識を披露してやれば良い。関係が深くない相手なら何でも知っている人のように映るだろう。私はこの言葉を鵜呑みにして幼少期から物凄く狭い分野を調べるのが好きになった。その結果、実際物知りのように思われる事が多い。けれど実際はスカスカなので後でガッカリされる。私は心底、紳助氏を恨んでいるのだ。ここまで書いてお分かりの通り、紳助氏の話術は詐欺師と同じなのだ。今ならもう少し論理的に彼を見られたかもしれないが、小学生の私はよく騙されたのだった。気に入らない共演者には一切喋らせないように脅すのもこの人の意地汚さである。彼が好きな司会者ランキングにも嫌いな司会者ランキングにも一位二位辺りを争っていた理由は最近理解した。

だが、彼を侮ってはならない。彼は暴力団との交際が発覚して引退すると形を取ったが、恐らく半年程度の謹慎でもよかったはずである。他にも暴力団と交際している芸能人は沢山いるし、吉本一番二番の稼ぎ頭を吉本が簡単には手放したくなかったはずだ。現に女性を殴っても数ヶ月の謹慎で戻ってきたような人だ。これはもう辞めるいいきっかけだから利用したに過ぎないだろう。不動産投資やら店の営業、作詞家と司会者以外にも嫌というほど稼いできた男。孫の代まで遊んで暮らせるとはこのことだ。そして、ただでさえ仕事は週三回で他は沖縄で遊んでいるとも語っていた。仕事はもう嫌だったのだろう。これは彼の嗅覚の鋭さもあった気がする。彼の芸風はパワハラセクハラであり、現代には嫌われる芸だ。今の現状を見越して辞めたとも思えるのだ。彼は他人を貶めて笑いをとる一方でふいに感動話を取り入れてチャラにしようとする意地悪い節があった。この詐欺的話術も限界だったのだろう。なのだが、よく考えてみてほしい。彼が去ってからの芸能界だ。坂上忍梅沢富美男長嶋一茂、、、意地の悪いことを売りにする芸能人の台頭は後を絶たないじゃないか。いうほど世間は変わっちゃいない。あるとしたら、人によって好みが分かれる分断が進んでいると捉えるべきだ。仮にあの時に紳助さんが引退しなかったら未だに多数の番組を持ち好きな司会者ランキングにも嫌いな司会者ランキングにも上位を取る大物であり続けたと思う。

ここまで書いてみて、この人の人間性を軽蔑しつつもやはりこの人のことが好きなんだろうなと回想した。もし仮に紳助氏がマーケティング戦略をしっかり考えて体裁を整えYouTubeに参入すればカジサックは秒で抜くことだろう。半分は低評価かもしれないが、観たい人は大勢いるはずである。やはり天才中の天才としか言いようがない。恐らく今回misonoチャンネルに出演するのは、misonoさんとmisonoさんの夫への支援の一環くらいでしかないだろう。義理と人情を大切にしただけだ。貧困国よりは金持ってるとも言われる紳助氏が今更リスクを背負ってまでYouTuberとして復活する理由は何もない。我々の心の中に紳助は生き続ける。これで十分じゃないか。今度はユッキーナチャンネルで彼の姿を観られてることと楽しみにしている。

P.S misonoチャンネルを閲覧した。容姿はいかつくなったが表情は優しくなっていた。声は細くなったが話術は衰えていなかった。そして、芸能界に本当に何の未練もないように見えた。若い頃に名をあげ金を稼ぎ、老後は悠々自適。芸能界最強の勝ち組は島田紳助なのだと改めて確信したのだった。