北野武さんの映画が良くて松本人志さんの映画が駄目だった理由。

何かと話題の松本人志さん。ま、偏屈だし保守的だし、リベラル派の人から攻撃されるのはしょうがないですよね。。しかし、お笑いに関して天才なのは認めざるを得ず、おそらく日本一ファンが多いカリスマ芸人でしょう。一方、北野武さんも天才かつカリスマ芸人。この両者で圧倒的に差がついたのが映画。たけしさんの映画は世界各地から評価されたが松本さんは全く。この差はどこだったのか、素人なりの解釈で書いてみます。

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・暴力vs下品!

たけしさんといえばヤクザ映画。これが賛否両論あるわけですが、ヨーロッパで人気がある要因なのです。一方松本さんの映画は下品。陰茎を押したり、SMに興奮したり、、、これがどこでも通用しなかったのでしょうね。もちろんたけしさんの映画でも下品な描写はあります。だいたい性交してますからね。しかし、かましくはなくさらっとやっているのです。

 

・映画哲学の圧倒的差!

これに尽きるといってしょうがないと思います。では、少しでも分かりやすくするために例を用いましょう。たけしさんの映画「監督・ばんざい!」と松本さんの映画「R100」。これを比べてみましょう。どちらもコメディかつ「ヘンテコな映画になっちゃった!」ってメタ的に繰り広げられるストーリーです。どちらも破滅的で素人目にみたら楽しみ方が分からない迷作ではありますが、哲学という観点からしたら圧倒的に差があります。R100は「100歳になる映画監督が100歳にならないと理解できない映画を作った!」という体で進められます。かたや、監督・ばんざい!は「暴力映画を封印せざるを得なくなった北野武が様々なジャンルの映画を撮ってみた!」という体で進められますね。どちらが哲学的でしょう。これはたけしさんですね。松本さんは「100歳は理解できる」としつつも内容としては非現実的なSMに過ぎないのですから、これはコントです。一方たけしさんは「得意分野を失ったら全然ダメだった!」という自分自身について描いていて説得力がありますしメッセージ性もありますね。

  

・映画としての美

たけしさんの映画の特徴としては「映像を青くする」「セリフを少なくする」「異様な長回し」などが挙げられますが、どれも映像特有の効果的な表現です。一方松本さんは「インタビューシーンを入れる」「変な服装したキャラクターが登場する」などと幼稚。もちろん、大日本人アメリカに頼るほかない日本人のメタファーですから彼なりに伝えたいメッセージもあるんでしょうけど、表現者としては安直で程度が低いものとなってしまうでしょう。

 

いかがでしたでしょうか?誰かが言ってました。お笑いの天才が松本人志天才がお笑いやってるのがビートたけしと。本当その通りだなぁと思います。松本さんの笑いは下品だったり暴力的だったり虐めてることも多いですから好き嫌いはあるでしょうけど、私は好きです。だから、これまでと変わりなくご活躍してほしいところではありますが、本人ももう映画は懲り懲りなのかなぁと。たけしさんもいつまでお元気か分からない年齢ではあるのでずっと輝いていてほしいなと。ということでまた。